ZAITブログ Vol.11　テレワーク派？出社派？ウィズ・アフターコロナの日本企業の動向とは

　2014年から社員一人一人のニーズにあわせて働く場所や環境を選択できる
人事制度「どこでもオフィス」を設けているヤフー。
　2022年4月には、社員がより創造性豊かに、生産性高く仕事に取り組めるように制度の拡充を行っています。

　【新制度】
　・居住地の制限をなくし、日本全国に拡大
　・通勤手段の制限を撤廃
　・交通費の片道上限を撤廃　など

　制度の拡充により転居する社員が増え、同年8月時点では約9割の社員がリ
モートワークを利用して働いているようです。

　また、オンライン・オフライン問わず、社員間で行われる懇親会費用の補助など、リモートワークでのコミュニケーション不足を解消するための取り組みも充実しており、 社員一人ひとりが自身のパフォーマンスを発揮できる場所を自ら選べる働き方を推進しています。

　社員の働き方はリモートワークを基本とし、働き方を自由に選択・設計 できるようにすることでワークインライフ（健康経営）の推進に取り組んでいます。

　また、2022年7月には「住む場所」も自由に選択できるように、 日本全国どこからでもリモートワークにより働くことを可能とする制度（リモートスタンダード）を導入しました。

　必要があれば出社することもあるので、ハイブリッドワークを前提とした制度ではありますが、 勤務場所は「社員の自宅」となり、会社への通勤圏内に住む必要はなくなりました。

　こうした取り組みを通じて、転勤、単身赴任をともなわない働き方の拡大に力を入れているようです。

　2020年の春頃に在宅ワークを導入した楽天グループですが、 2021年11月には「リターン・トゥ・オフィス」として、週4日出社・1日テレワークの出社重視へと方向転換しました。

　出社を重視する背景として、
　・社員の高い志の共有や新しい発想を生み出すためには、対面での
　　コミュニケーションが不可欠
　・一人暮らしの若い社員も多く、リモートワークばかりだと精神的に
　　不安定になりかねない
　・社員の国籍が幅広いため、文化理解を深めて関係性を築くことが
　　リモートワークでは難しい
　などの理由があるようです　

　また、「コミュニティーの一員として社会とつながっているという意識」が生まれることで 社員のウェルビーイングの推進にもつながると考えています。

　リモートワークにより、自由度や仕事の効率は上がるものの、 新しい発想や化学反応を生み出し、一人の力ではできないことをみんなで作り上げていくためには 社員同士の対面でのコミュニケーションが重要だといいます。

　2020年4月から実施していた在宅ワークを辞め、 2022年5月頃から全社的に原則週5出社へ勤務体制を切り替えています。

　「三現主義(現場、現実、現物を重視する姿勢)」を大切にしてきたホンダは、 対面でのコミュニケーションを活性化することで、イノベーションの創出を促すことを目的に原則就社勤務へと働き方へシフトしたようです。